今週(8月10日〜14日)のマーケットを一言で表すなら「インフレ鈍化を追い風にした株高週間」。先週号でお伝えした乱高下から一転、日経平均は週間で+3,107円という力強い上昇を見せ、一時69,000円台まで上値を伸ばしました。米国でもCPI・PPIともにインフレの落ち着きが確認され、S&P500が最高値を更新する場面がありました。お盆休みで薄商いのなか、日米ともに「良いインフレ鈍化」に素直に反応した一週間だったと感じています。
今週の主な出来事
1. 日経平均、週間+3,107円の大幅高で69,000円接近
前週末(8月7日)65,606円71銭で終えた日経平均は、週を通じてAI・半導体株を中心とした買いが継続し、12日には前日比+553円84銭(+0.83%)の67,524円06銭まで上昇し1カ月ぶりの高値を記録。14日には寄り付き直後に一時69,608円24銭まで買われ、約1カ月ぶりに69,000円台を回復する場面がありました。終値は68,713円80銭(+405円21銭)で4日続伸となり、週間では前週末比+3,107円09銭(+4.74%)の大幅高で取引を終えました。
2. TOPIXが連日で史上最高値を更新
東証株価指数(TOPIX)は12日、前日比+38.39ポイント(+0.94%)の4,139.00ポイントで取引を終え、7月に記録した終値を更新して史上最高値を更新しました。値がさ株中心の日経平均だけでなく、東証全体の値動きを示すTOPIXも最高値圏で推移しており、上昇の裾野が広がっていることがうかがえます。
3. 米CPI・PPIともにインフレ鈍化を確認、S&P500が最高値更新
12日発表の7月米消費者物価指数(CPI)は前年同月比+3.4%、コア指数も前年同月比+2.5%と、いずれも市場予想と一致。13日発表の7月生産者物価指数(PPI)は市場予想を下回る伸びとなり、インフレ鈍化がダブルで確認された形です。これを受けてNYダウは13日に4営業日ぶりに反発し53,839ドル99セント(+0.13%)、S&P500も同日に一時7,810ポイント台まで上昇し史上最高値を更新しました。
4. 日銀「主な意見」でタカ派委員の発言相次ぐ
日銀は10日、7月30〜31日開催の金融政策決定会合の「主な意見」を公表。物価の上振れリスクを警戒し「金融緩和度合いの調整をペースアップする必要がある」といった早期利上げを求める意見が複数の政策委員から出ていたことが明らかになりました。同会合では政策金利は1.0%で据え置きが決定されています。
5. ドル円は159円台で小動き、お盆で薄商い
為替市場では、7月末の日米協調介入や8月頭の急速な円高を経て、ドル円は週を通じて159円台前半で推移。14日は午後にかけて159円14銭前後と小幅な値動きにとどまりました。東京市場がお盆休み期間に入ったこともあり、積極的な売買は手控えられ、様子見ムードの強い一週間となりました。
りょうが特に気になった話題
今週、私が一番気になったのは日銀「主な意見」で見えた政策委員のタカ派姿勢です。日銀9月利上げ観測が8割に急上昇 変動金利はどうなる?個人投資家が今できることでも取り上げましたが、市場ではすでに9月の利上げをかなり織り込みつつあるなか、今回公表された「主な意見」でも「機動的対応や利上げ幅の議論が必要となる新たな局面に転換した」という踏み込んだ発言が出てきたのは、想定以上にペースが速まる可能性を意識させる内容でした。
私はこう見ています。株式市場はインフレ鈍化=米利下げ観測という「良いニュース」に素直に反応して最高値圏を更新していますが、その裏側では日本の金利も静かに、しかし着実に切り上がる方向に向かっています。日経平均やTOPIXが最高値圏にあるからといって強気一辺倒になるのではなく、先週号でも触れた「為替や金利がどちらに転んでも大きく崩れない」資産配分の意識は、株高が続く局面だからこそむしろ大切だと感じています。もちろん利上げのペースや時期を断定的に予測することはできないため、日銀の会合ごとの発言や市場の織り込み度合いを淡々とチェックしていく姿勢を続けたいと思います。
来週の注目ポイント
- 日本の2026年4〜6月期GDP1次速報(8/17、8:50発表) — 市場予想は前期比年率+2.2%程度、実質成長のペースを確認
- 中国7月小売売上高・鉱工業生産指数(8/17) — 中国景気の減速度合いが世界の株式市場心理に波及する可能性
- 米FOMC議事要旨公表(8/19、日本時間20日未明) — 7月会合での利下げ・利上げを巡る議論の温度感に注目
- ウォルマート・ターゲットなど米小売大手の決算 — 個人消費の実態を映す指標として株式市場の反応に注目
今週の学び・まとめ
- インフレ指標(CPI・PPI)が予想通り・予想以下だっただけでも、株式市場には「利上げ観測後退」という強い追い風になり得る — 数字そのものより「サプライズの有無」が反応の大きさを左右する
- 日経平均とTOPIXがそろって最高値圏を更新する裏側で、日銀は着実に利上げに向けた地ならしを進めている — 「株高=金利上昇なし」ではない点は意識しておきたい
- お盆休みなど市場参加者が薄い時期は値動きが荒くなりやすい一方、方向感の乏しい小動きになることもある — 商いの薄い時期の値動きは振れ幅も含めて割り引いて見る必要がある
- 週間の上げ幅・下げ幅だけを見るのではなく、TOPIXのような裾野の広さを示す指標も合わせて確認することで、相場の実態をより正確に把握できる
※投資は自己責任です。本記事は特定銘柄の売買を推奨するものではなく、将来の相場や金利水準を確定的に予測するものでもありません。ご自身の状況に合わせて、慎重にご判断ください。


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