令和8年分「扶養控除等申告書」の書き方が変わった 会社員が年末調整前にチェックすべき3つのポイント

資産形成
扶養控除等申告書の書き方が変わる

「去年と同じように書けばいいや」——そう思って年末調整の書類を出すと、今年は少し危険かもしれません。会社から配られる「扶養控除等(異動)申告書」が、令和8年分から表現も欄も変わっているからです。私も先週、経理から届いた見本を見て「あれ、この欄名前違う」と気づいて調べ直しました。10月〜11月に書類が配られてから慌てないよう、9月のうちに変更点を押さえておきましょう。

なぜ今年から申告書が変わるのか

2025年の税制改正で、基礎控除と給与所得控除が引き上げられました。いわゆる「年収の壁」の見直しです。「103万の壁」は結局どうなった? 2026年の年収の壁を会社員目線で整理するで壁の数字自体は整理しましたが、今回はその制度変更が「毎月の給与計算」ではなく「年末調整の書類そのもの」にどう反映されるか、という実務の話です。改正の施行は2026年12月1日。つまり11月までの給与計算はいつも通りで、12月に行う年末調整から新しいルールが適用されます。慌てて何かを変える必要はありませんが、書類の中身は先に変わって配られてきます。

変更点1:「控除対象扶養親族」が「源泉控除対象親族」に名前が変わった

これまで申告書のB欄に書いていた「控除対象扶養親族」という呼び方が、「源泉控除対象親族」に変わりました。単なる呼称変更ではなく、対象になる人の範囲が広がっています。

区分 対象になる人
これまで通りの扶養親族 16歳以上で年間所得58万円以下の親族
新しく加わった「特定親族」 19〜22歳(令和8年分は19〜23歳)で、年間所得が58万円超100万円以下の親族

大学生の子どもがアルバイトを頑張って年収を増やしたことで、これまでの基準(所得58万円=年収123万円程度)を超えて扶養から外れてしまう家庭がありました。今回、その少し上の所得帯(年収123万〜188万円程度)にいる19〜23歳の子どもを「特定親族」として新たに申告できるようになったのが、実務上いちばん大きな変化です。該当する子どもがいる家庭は、申告書に新設された「特定親族」のチェック欄を見落とさないようにしましょう。

変更点2:配偶者や親族の所得要件の数字が上がった

申告書には「配偶者の合計所得金額の見積額」を書く欄がありますが、この判定ラインも変わりました。

  • 配偶者・扶養親族の所得要件:58万円以下 → 62万円以下
  • 勤労学生控除の所得要件:85万円以下 → 89万円以下

数字だけ見ると小さな変化に見えますが、「うちの配偶者はパート収入が微妙に増えたから対象外かも」と思っていた家庭が、実は今年から対象に戻るケースもあります。見積額を去年のまま書き写さず、今年の年収見込みで改めて計算し直すのがポイントです。

変更点3:記入前に自分で確認しておく3つのこと

会社から書類が配られてから慌てないために、9月〜10月のうちにできる準備を整理しました。

  1. 子ども・親のその年の所得見込みを把握する。特に19〜23歳の子どもがアルバイトをしている場合は、年収123万円・188万円あたりのラインを意識して、年末までの見込み収入を計算しておく。
  2. 配偶者の年収見込みを最新化する。パート収入が増減している場合は、去年の欄をそのまま書き写さない。
  3. 生命保険料控除の証明書を早めに確認する。2026年分は子育て世帯向けの控除拡大もあるので、【2026年分だけ】生命保険料控除が最大6万円に拡大 子育て世帯が年末調整で見落とすと損する話もあわせて確認しておくと、書類が届いたときに迷いません。

よくある質問

Q. 申告書の書き方を間違えたらどうなりますか?
A. すぐに追徴課税になるわけではありません。多くの場合、翌年の確定申告で修正できます。ただし手間がかかるので、記入時に会社の経理担当や国税庁の記入例で確認するのが確実です。

Q. 「特定親族」に該当するか自分では判断が難しいのですが。
A. 子どもの年間の給与収入見込みを聞いておき、年収123万円〜188万円程度の範囲に入りそうなら該当する可能性が高いです。迷う場合は会社の担当窓口に相談するのが早道です。

Q. 今の時期(9月)にできることはありますか?
A. 書類はまだ配られていなくても、家族の年収見込みを整理しておくだけで、配布後の記入がぐっと楽になります。

まとめ

  • 令和8年分から「扶養控除等申告書」の欄名や所得要件が変更され、2026年12月の年末調整から適用される
  • 「控除対象扶養親族」が「源泉控除対象親族」に変わり、19〜23歳で所得58万円超100万円以下の「特定親族」が新たに対象になった
  • 配偶者・扶養親族の所得要件は58万円以下→62万円以下、勤労学生控除は85万円以下→89万円以下に緩和された
  • 書類が配られる前に、家族の年収見込みを整理しておくと記入がスムーズ
  • 制度の詳細は個々の家庭の状況で判断が変わるため、不明点は会社の担当窓口や税務署に確認を

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